100年以上の歴史を持つ伝統的なハリスツイード

100年以上の歴史を持つ伝統的なハリスツイード


秋冬シーズンになるとよく聞く『ハリスツイード』
皆さんも一度は聞いたことや見たことがあるのではないでしょうか?
 
ジャケットやコートの他に、この時期になると雑貨店などでも財布や帽子、バッグなどの小物類をよく見かけるほど人気の『ハリスツイード』ですが、その背景は意外とあまり知られていないことが多く、結局ハリスツイードって何なの?と疑問に思う方も多いようです。
 
そこで今回は、ハリスツイードとは何なのか、ハリスツイードの誕生から現在に至るまでの歴史や、生地の魅力までご紹介します。
 

 

世界中から愛されるハリスツイード

ハリスツイードの歴史


ハリスツイードは、100年以上前にスコットランドの北西に位置するアウター・ヘブリディーズ諸島(ルイス島・ハリス島)で発祥しました。
ハリス島で取れる羊毛を用いて作られた、分厚く暖かく丈夫な生地は当時、漁師たちの防寒着として使われていたそうです。
 
小さな片田舎で女性たちが漁に出る男性たちのために、自宅にて、原始的な方法でゆっくりと織り上げていたツイード生地こそがハリスツイードの始まりだそうです。今や世界中にその名を響かせているハリスツイードをからは全く想像がつかないですね。
 

ハリスツイードが人気になったきっかけ


では、そんなハリスツイードがどのようにして広まっていったのか…
そのきっかけは、ハリス島の領主、ダンモア伯爵の未亡人ダンモア夫人が、タータンチェックのツイード生地を職人に織らせたところ、その出来栄えに感銘を受けたという出来事から始まります。
 
ダンモア夫人は、このツイードを島の主要産業にしようと考えます。周りの裕福層たちへ宣伝をし、生産環境を整えるなど活動を行ったところ、ハンティングやフィッシングなどを楽しむ裕福層に受け入れられ、その人気はイギリス本土に広がり、大都市のロンドンでも販売されるようになりました。
 
こうして瞬く間にその評判は世界中に広がっていったのです!
 

ハリスツイードは世界で唯一国会の制定法で保護されている


世界中に大ブームを起こしたハリスツイードですが、知名度が上がり、人気が出たことで偽物が出回るようになりました。
そこで、1909年に『ハリスツイード協会』が設立されます。
このハリスツイード協会で定められた厳しい基準にクリアしたもののみが本物の『ハリスツイード』として認められるのです。
 

-ハリスツイード協会で定められたハリスツイードの定義-

1.ハリス島、ルイス島、ウィスト島、バラ島と、その周辺のアウター・ヘブリディーズ諸島の島で生産されたもののみ。

2.ピュア・ヴァージンウールのみを原料とし、染色・紡績・織り上げまでの全ての工程を、各島内で行わなければならない。

3.島の織り手の自宅にて、全て人力による手織りである事。

 
これによって、100年以上経った今もなお、ハリスツイードは当初と変わらぬ伝統的な生地を作り続けているのです。

 

ハリスツイードのタグ 『オーブ&マルチーズ・クロス』

ハリスツイードといえば、この丸い可愛らしいマークのタグが有名ですよね。皆さんも一度は見たことがあるのではないでしょうか?
このマークのタグこそが、上記で説明した『本物のハリスツイードの証』です。
 
このマークは、『オーブ&マルチーズ・クロス』(Orb and Maltese Cross)といって、1909年に英国王室から使用許可を得てつくられ、イギリスの高品質毛織物を表す伝統的なシンボルとなっているものです。
 
「オーブ」とは、英国王室が使用する王冠や杖にあしらわれている『宝珠』のことを指します。
「マルチーズ・クロス」(上部分の十字架)は、地中海に位置するマルタ島の騎士団のシンボルで、十字の角が広がっているのが特徴的です。ヨーロッパの王族たちが好んで取り入れていたそうです。
 
英国王室の儀式で使われる王冠や杖にはこの「オーブ&マルチーズ・クロス」があしらわれています。ハリスツイードのタグは、重厚感溢れるこのマークをモチーフにデザインされたものなのです。

 
 

驚異の耐久性!ハリスツイード生地の特徴

1.ハードな素材感

スコットランド北西のハリス島に棲息するチェビエット種という太い原毛の羊を使い、子羊の新毛に「ケンプ」(白い毛のことで短くて太く、固い針金状の粗雑なウール繊維のこと。)を混ぜることにより、独特な雰囲気を持つざっくりとしたハードな生地感を実現しています。
そのゴワゴワ感や手織のノスタルジックな雰囲気が受け入れられ、古くから好まれている素材です。


2.弱撥水性

どんなウールでも紡いだ段階では原毛には油分が入っています。
通常は紡績の段階で脱脂(油を抜く)しますが、ハリスツイードは原始的な手紬ですので、こういった作業をしません。このため織られた生地にも原毛に含まれる油分がそのまま残っており、弱撥水性を保ちます。


3.耐久性

また、10年、20年とお召し頂ける驚異の「耐久性」もハリスツイードの大きな魅力です。
着れば着るほどに味わい深くなるので、こだわりの詰まった1着のジャケットを、お子様へお孫様へとご家族でお楽しみ頂ける点もとても素敵ですね。1つの「物」を愛着を持って長く使用するということはサスティナブルが注目されている「今の時代」にとても合っています。
 

長く着用するための3つのポイント

 
1.ブラッシング
日頃からできる1番基本のお手入れ方法は『ブラッシング』です。
ツイード生地は、糸と糸の間に埃が溜まりやすいので、ブラッシングをすることで劣化を防ぎ、生地本来の風合いを長持ちさせることができます。
 
ウール用のブラシでまずは繊維と逆方向に、次に繊維に沿ってブラシをかけるだけで、簡単にササっと終わってしまいますので、1日ご着用したあとに是非やってみてください。


2.たまに水洗いに出しましょう
基本的には日頃のブラッシングでOKですが、オフシーズンのタイミングや、着用方法、期間によって汚れが落ちきらない場合には、水洗いに出すことで生地の風合いが戻るのでオススメです。


3.裏地の張り替え
表地は丈夫ですが、裏地は先に傷んでしまいます。
裏地の張り替え(有料)をご希望の方は、オフシーズンにお店までお持ちください。

 
 

ハリスツイードのオーダージャケット

ハリスツイードの生地は、ゴワゴワとした素材感でまた様々な色糸を織り込んで作っているので、生地に「表情」が出て、「優しく暖かみ」があります。
 
➀暖色系×大きめチェック柄生地で仕立てると画像のようなハリスツイードならではの魅力を最大限に活かした、『ポップで暖かみのある』印象に!
➁遠目には無地にも見えるヘリンボーン柄×シックな色で仕立てると、暖かみがあって優しい印象のツイード生地にモノトーンでシックな印象をプラスすることで、『メリハリと雰囲気のある』印象に!
 
このように同じツイードの生地でも、選ぶ色柄によってこんなにも雰囲気が変わって見えます。
シックな印象のモノトーンから、見ているだけで楽しくなるような鮮やかな色柄物まで種類豊富にご用意しておりますので、是非お気に入りの生地を探してみてください!
 
【ジャケット価格:53,000円(税込58,300円)~】
【ベスト価格:21,000円(税込23,100円)~】

 

生地一覧

HT-2339
チャコールグレイ
ヘリンボーン
HT-2340
グレイ
チェック
HT-2341
ブラウン×ベージュ
チェック
HT-2342
ダークブラウン×オレンジ
チェック
HT-2303
カーキ
チェック
HT-2309
グリーン
千鳥格子
HT-2314
グレイ
千鳥格子
HT-2315
カーキ
ストライプ
HT-2328
グリーンミックス
無地
HT-2235
ブラウン
オートミール
HT-2311
ブルー
千鳥格子
HT-2316
グレイ
ヘリンボーン
HT-2236
濃紺×緑
千鳥格子
HT-2238
ブラックウォッチ

 

小物・雑貨の一覧はこちらから

 
物を長く大事に使う「サスティナブル」が注目されるこれからの時代にぴったりな『ハリスツイード』をご紹介しました。
100年以上の歴史を持ち、伝統的で長年愛用できるハリスツイードは、古き良きモノづくりの賜物です。
皆さんもこれを機に、ハリスツイードで長年愛用できるアイテムを手に入れてみてはいかがでしょうか?
 

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