オロビアンコブランドの最大のポイントはそのスタイリッシュさ。
ビジネスバッグやショルダーバッグのイメージでもオロビアンコのブランドイメージは“スマートなビジネスエリートのファッションアイテム”ではないでしょうか?
そこで今回のオーダースーツ開発ではこのコンセプトを大切にしようと考え、オーダースーツ業界で一般的に行なわれている『生地だけ当該ブランド(デザインは何でもあり)』を止めることにしました。
どういうことかというと、、、
現在のオーダースーツ業界では、ブランドの直営店を除けば、例えばゼニアなどの超高級インポート素材でも、そのブランドが本来目指す、ターゲット層の年齢・スタイル・コンセプトなどは一切無視して、販売店が持つデザイン・パターンのスーツを提供しています。
つまり、生地はブランドの持ち物でもデザインやパターンまではブランドが関与せず、いわば好き勝手なデザインとなっているのです。
今回のオロビアンコ オーダースーツの開発ではこの従来からの生地ブランドの問題点をどう解決するか?をブランド側と慎重に協議しました。
結果、オロビアンコ専用パターンを用意することにいたしました。
□ 用意するモデルは2パターン □
1つは、肩パッド等が薄く柔らかい雰囲気に仕上げた『クラシコパターン』
※こちらは当社の従来パターンではV2に近いデザインです。
もう1つは、スーツの王道である英国を意識した『ネオブリティッシュ』
※こちらは当社の従来パターンではV6に近いデザインです。
そして両者に共通するコンセプトは、オロビアンコのファン層である20代〜40代世代の身体付き、フィット感、更には価値観にあったパターン作りです。
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クラシコイタリアパターン
イタリアンブランドであるオロビアンコならではのクラシコイタリアパターン。
薄手の肩パッドに軽いハーフ毛芯を使用することでイタリア的な軽い着心地を再現しています。
また、前身頃の幅をやや狭めにしているため、釦をかけると軽い引かれ皺が出ることがありますが、これこそが『ジャッカストラッパーダ』といわれるイタリアならではの着こなし術です。
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ネオブリティッシュパターン
スーツのルーツ(起源)は英国にあり。イタリアブランドもその影響は避けられません。
そこでオロビアンコが考えた英国調スーツは、ネオブリティッシュパターン。
従来の堅い英国のイメージではなくハーフ毛芯を使い軽く仕上げ、高めのゴージライン、小さめのアームホール、シェイプされたウエスト周り、細めの袖幅など要所要所にモダンブリティッシュのディテールを満載しています。
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□ 生地にもこだわりを □
加えて、生地の色柄にもこだわりを持ちました。
それは、ブランドが持つターゲット層の価値観。
20代〜30代は色柄的にはベーシックな物を求める方もいらっしゃいますが、スーツを作業着ではなくファッションとして楽しみたい世代。
当然、ファッショントレンドにも敏感になることを、ブランド側に伝え、トレンド色の強い色柄を多めに色柄企画しました。
むろん、ここにはイタリア側の考えと日本側のトレンド感の違いなどもあり、本国のブランド価値観を変えずにどれだけ日本人の好みを取り入れるかなど約1年に渡って協議いたしました。
なお、素材は原則ストレッチ性のある細番手のウール素材を使用しています。
店舗ご紹介ページはこちらです。
1、無地
2、ヘリンボン
3、ストライプ
4、マイクロチェック
5、バーズアイ
6、ドビー織柄
7、グレンチェック
8、ウインドペン
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□ オロビアンコならではのディテール □
オロビアンコと言えば、イメージするのはこのトリコロールカラーのテープではないでしょうか?
このブランドカラーのテープを、スーツのイメージを壊さず、どこか取り入れられるところはないか?
またオロビアンコらしい遊び心・洒落っ気をどこに取り入れるか?
ブランド側、当社(ビッグヴィジョン)、そして縫製工場と幾度となく協議しました。
その結果、出来上がったのは次のアイテム
@ 専用キュプラ裏地&ピックステッチ
>>> オロビアンコスーツで使用するキュプラ裏地は専用オロビアンコロゴを使ったジャカード織りの裏地。
裏地などの仕様は日本が一番、優れているため、こちらは日本側が開発したものです。
また、手縫い風のAMFピックステッチは高級感を出し、物性的にも耐久性が上がるため標準仕様にしました。
ここでのコンセプトは、『控えめでありながらブランド価値を高める高級感を醸し出す』ことでした。
A 片玉縁の内ポケットに縁取りはオロビアンコテープ
>>> 通常内ポケットの玉縁部分は裏地で作成しますが、本仕様では内ポケットの縁取りにオロビアンコトリコロールテープを使うことでオロビアンコらしい遊び心を表現しています。
B サイドベンツのコインホール
>>> 上衣のベンツ部分は、手間のかかる額縁仕様になっており、またこの額縁(45度に折って縫い上げた部分)には約1cm程度の切れ込みを付け、コインなどを入れられるようにしています。
何故、コインホール?とお考えかも知れません。
これはコイン(10セント硬貨など)を入れることで、サイドベンツ部分に適度な重量を持たせ、ベンツが捲くれあがるのを防ぐためです。
実用性もありますが、何よりここまでこだわるところが“イタリアブランドらしさ”です。
C ネーム刺繍は襟の裏に
>>>通常、内ポケット近辺に入れるネーム刺繍。
オロビアンコのブランド価値観にあわせると、これの場所が『襟の裏側』に変わります。誰に見せるものでもないのかも知れませんが、この辺もこのブランドが持つ遊び心なのです。
D パンツの脇にはオロビアンコ専用チーを
>>>チーとは紐(ひも)のことですが、ブランドお馴染みのトリコロールテープをここにもアクセントとして取り入れました。
堅苦しいスーツにはちょっと場違いかも知れませんが、これぐらいの遊び心は、十分許容範囲です。
パンツ姿で、脇にこの誰もが知るオロビアンコ柄のチーがあれば、『これオロビアンコなの?』って言われること間違いなしではないでしょうか?