こんにちはエソラ池袋の中崎です。
皆さんスーツを着て歩いている最中(特に腕を前に送り出す時)に袖が内側にねじれ込んだり、
不必要に袖丈が短く
なったりしませんか?
腕組みをすると脇の下の部分がつっかえて、きつく感じ不愉快な思いをしたりしませんか?
私は採寸中に、よくお客様に腕組みをして頂き違和感がないかを確認し、
きつく感じると申し出があった時は「アーム前刳り」補正をご提案します。
「アーム前刳り」とは簡単に説明しますとアームホールの前方側を広くする補正!
写真で説明するとアームホールのナナメ下側(白いチョーク線)を広くします。

こうすることで抵抗が少なくなり腕を組む動作などが楽になります!!
では私が補正を必要と判断するのは、全てお客様の感覚任せかと言うとそうではありません。
もう少しアーム前刳りが必要な状況を型紙を使いながら説明します。
アーム前刳り補正が必要なのは、体の腕の付け根と服の袖穴の位置の食い違いです。
図1

図1の胸巾F~D間が体に対し広すぎる(距離が余剰)と当然腕の付け根に食い込んで来ます。(黒点線で食い込む)
腕の付け根が食い込むと適切な回転が出来ませんので腕を前に振り出すと図2の様に袖が内側にねじれ込んで来ます。
図2

そこで図1のアームを刳り胸巾F~D間を適正な量にすることで食い込みを軽減させます。(図1の青実線にする)
だだし胸巾が余剰の時は背巾E~B間が狭い(不足)ことがあり、背巾を広くする補正も合わせて加えたり
もします。
その他では胸巾も背巾も適正だけれどの脇巾(細腹)D~E間が狭い(不足)ことがあります、その時は
図3の様に脇の下のパーツ(細腹)を少し広げます。
図3

他にも袖に関することは沢山ありますが今回は「アーム前刳り」だけ説明しました。
ただし誤解して頂きたくないのは補正を加えれば加えるだけ良いと言う訳ではありませんし
私の個人的な考えですが、一番美しい(整っている)スーツは補正が全く加えられていないスーツ
だと考えています。
その上でお客様と話し合い、補正を決定していきたいと考えております。
次回はスラックスの補正についてブログにアップ出来ればと思います。