こんにちは、渋谷店の三浦です🗿

 

 

 

 

ダブルのスーツ

 

 

というと、
バブル時代のアルマーニのようなゆったりとしたスタイルをイメージする方もいらっしゃるかと思いますが、

 

現代風なら、英国調のタイト&ドレープ感のあるスーツですね。

 

 

ダブルスーツの歴史は

 

衣服の両合わせを二重にし、ボタンを縦二列に並べてつけた型式を、英語ではダブルブレステッド、日本のテーラーでは昔から「両前」と呼んでいます。

 

「両前」は
英語では「ダブルブレステッド」の訳ですが、本来は名前の通り、衣服の上前・下前いずれにもボタンホールが開けられて、風向きなどによって左右どちらにも合わせられる仕組みになっていました。

 

 

そもそも、「ダブルブレステッド」という英語が見られだしたのは、1701年頃のようです。18世紀のはじめには、すでに存在していたということになります。

 

 

事実、これより30年近く前、1674年ごろ、ダブルブレステッドの原型ともいうべきものが見られたという記録もあるようで

 

「ブランデンバーグ」という軍人用の防寒外套がそれで、今日のダッフルコートのように、一種のループ状の飾り紐を用いて、これを下前のボタンに引っ掛けて留める形式のものです。引っ張りのことですね。

 

 

いずれにしても、当時のダブルブレステッドは主に軍人用や乗馬用、もしくは旅行用のオーバーコートの類だったようです。

 

 

これが紳士服の上着やベストの類に採用されるようになったのは、1730年代に至ってのことであり、
さらにそれらが一般化を見るようになったのは、1780年代からのことのようです。
もっとも、上着といっても、当時のそれらは燕尾服のような形が中心で、スーツのような上着はまだ登場していませんでした。

 

 

背広型の上着、つまりラウンジジャケットに両前のスタイルが見られるようになったのは、1862年ころからとされています。

 

 

最初のダブルブレステッド・ジャケットは、6個ないし8個のボタンを縦に平行して付けたものになっていて、留める側のボタンは残らず掛けて着用されました。
ピーコートみたいな感じですね。

 

リーファースタイルは以後19世紀の末まで流行し、新しい世紀の訪れとともに次第に廃れていき、
代わって1903年頃、新しいタイプのダブルブレステッドが現れました。

 

4つボタン2つ掛け、ないし6つボタン2つ掛けがあり、
今日の両前上着の基本型となったものです。
その数年後には、2つボタンの両前方も現れました。

ダブルブレステッドのタキシードは1921〜1922年ころのことらしく、
イギリスでもまもなく当時のファッションリーダーの一人であった俳優さんが、ダブル型のタキシードの流行に先鞭をつけ、1925年ころから注目を集めだしたそうです。

その後、1930年の半ばにロングターン・ダブルブレステッドが登場し、
1990年代バブルのときにはアルマーニ、

そして今回の流行へと繋がっていきます。

 

 

以上、長々とダブルスーツのことを書いてみました。

夏には暑苦しく感じるかも知れませんが、

ダブル如何ですか?

スーツの歴史を知ると

更にオーダーが楽しめそうですね。