こんにちは。東銀座店古谷です。
ようやく、中途半端に居座っていた梅雨前線もなくなって、いよいよ夏本番ですね。
真夏ではありますが、私達は次のシーズンに向けて準備中です。概要が決まりましたら、皆さんにご覧いただきますが、今日のところは途中で終わっていた、素材(糸のできるまで)を再開しますよ。
刈り取られた羊毛は、実にたくさんの工程を経て製品になりますが、ここではウーステッドの場合を見ていきましょう。
その工程はこんな感じです。
①選毛…羊毛が基準と一致しているかの選別です。繊維の太さ・繊維の長さ・スタイル・強力・夾雑物の含有量の5項目を、クラッサーと呼ばれる熟練した人間が選別します。クラッサーはその技術が下がると、その資格をはく奪されることもあるそうです。
②洗毛…汚れや・汗などを洗い落とし、約18%の水分を残し乾燥させます。
③カーディング…羊毛をほぐす作業です。ピンのついたローラーで引き揃えていき、帯状(スライバー)にしていきます。
大きなオルゴールの中のようです。
④ギル…1対のローラーの間を通し引き延ばします。
⑤コーミング…名前の通り櫛(コーマー機)でスライバーを合わせて引き延ばしを繰り返します。「梳毛糸」の由来はこの工程から来ています。
⑥仕上げ…行程中に生じた汚れを落とし、帯状にしたものがトップと呼ばれ、この段階で染色したものがトップ染と言われるものです。
⑦前紡…トップを更にダブリングとドラフトを繰り返し、粗糸を作ります。
⑧精紡…撚りをかけながら一定の太さに紡いでいきます。この状態の糸を単糸といい、このまま使う事は殆どありません。
⑨合糸・撚糸…単糸を引き合わせ、2本合わせて単糸とは逆の方向へ撚りをかけます。これが双糸でやっと織物に使える糸になりました。
どうです。糸が出来るまでには、こんなにたくさんの手間がかかっているんですよ!(゜-゜)
では次回は、生地が出来るまで をご紹介します。(^^)/~~~
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