こんにちは〜!
なんだか一気に過ごしやすさが増してきた本日も元気に営業中、
立川店です〜!
前回の記事(2023.9.28)があまりに長くなりそうだったので、分けました。
前半を要約すると、
「タキシードに対して、昔はちょっと間違った認識をしていたのですが改めましたよ。少し前に、たまたまタキシードのお客様がご来店されたので、せっかくなのでご注文可能な仕様を見本服合わせてご紹介します」
ということです。で、続きなのですが……
全部まとめてコチラに書こうとすると大変なことになるので……
ものすごく掻い摘んだ前提として、礼服は正礼装・準礼装・略礼装の3種類に分かれています。出席する場の格式や時間帯などで着用するものが変わります。
必要な機会が訪れないと、なかなか意識することは少ないですよね。正直なところ。特に洋服の礼装は。
だいたい、日本人の洋装が一般化してきたのが明治時代ですし。歴史的に見たら、超最近ですよね。その前の200年間くらいは鎖国していた訳ですし……国際ルールが入ってきたのなんて、本当に日が浅いんじゃ……と。冷静に考えたら、なんだかすごいことじゃないですか??
外務省のHPに国際儀礼ということで、一応はきちんと記載されているので引っ張っておきますね。下の方に「服装」の項目があります。
ただ、「これ着ておけば大丈夫だよ」くらいで、わりと簡略化されて書かれています。知識レベル云々は置いといて、詰まるところ一般認識としてはこのくらいで大丈夫ってことですよね。
それにちょっとだけ付け加えたのが以下の通りです。
正礼装 → 昼間 モーニングコート
夜間 燕尾服 (ドレスコード : ホワイト・タイ)
準礼装 → 昼間 ディレクターズスーツ
夜間 タキシード (ドレスコード : ブラック・タイ)
略礼装 → ブラックスーツ・ダークスーツ
※昼夜の区別なし
……ということで、タキシードはブラックスーツ(日本人が広く認識している黒い礼服)より格式が高い、準礼服です。
日本でタキシードというと、ウェディングでの需要がメインなのかな……と思いますけど。そこまで決まりが厳しくはないということで昼間にも着るし、かなりカジュアルダウンされているタキシードも多いみたいですよ。
先日、立川店にいただいたタキシードのご注文は、まさにウェディング用ということでした。オープンして半年に近づく立川店、第一号のタキシードです。
礼装のお話になると、それはそれはもう大変なことになるので(きっと余裕で本1冊分になる……)、今回は礼装の決まりとかの話ではなくて、ビッグヴィジョンでご注文いただける範囲をピックアップしてみます。。。
フォーマル用の黒無地にはいくつかの種類をご用意しておりますが、スーツ生地からでもご注文OKなんです。オプションとして+ 25,000円 (税別)していただくと「タキシード仕様」として、ご注文を承ることが可能です。
今回のお客様も、礼服用のマットな生地ではなく、完全にお祝い用として上品な光沢のあるロロピアーナの黒無地を選ばれましたよ。
それで具体的な仕様は?となる訳ですが。。。
まず、タキシードはジャケットの衿を光沢のあるシルクのサテン生地で作ります。見れば「あーこれね!」となると思います。(= 拝絹※)下に写真載せるので、後ほどご覧ください。
※拝絹(はいけん)…礼服の衿にかぶせて使う絹織地のこと。基本的に絹を使うが光沢のある他の生地を使うこともある。
形は丸みのあるショールカラーか、下襟の先端が上に尖ったピークドラペルです。デザイン決めの際に選べます。お好きな方、イメージされていた方、どちらでも。その場で迷ってくださっても大丈夫です。
ちなみに、どっちが格上とかはないそうですよー
前身の基本デザインとしては、拝釦のシングル1つボタンか、ダブルの6つボタン1つ掛けの2種類です。パターン表の図をそのまま載せるわけにいかないので、お絵かきアプリでデザインの線画だけを上からなぞったのがコチラ ↓
なぞっているだけのはずなのに、なんだかゆるゆるテイストなのは何故なのか。。。
腰ポケットから、にゅっと伸びている線は、ただのダーツ(立体的にするための縫込み)ですからね。あんまり気にしないでくださいね。。。元の図をちゃんとそのままなぞっただけです。
ちなみに、ジャケットの腰ポケットにフラップは付きません。フラップ付かないのに、ポケットちょっと太くなってしまったんです……後から気づきました💦紛らわしくてごめんなさいです……
店頭に飾っていない見本服というのも何着かあって、その内の1着にタキシードの見本服がありました。「拝釦のシングル1つボタン」が1着。
普段、店頭には出していないので出番はちょっと控えめなので、今回はちゃんと登場していただきます。
ダブルのピークドラペルの方もあったら良かったんですが。。。そちらに関しては、通常のスーツの見本服に「ピーク衿+前身ダブル」のスーツがあるので、それをベースに「ここがこう変わりますよ」と、順を追ってご説明させていただくことになると思います。
実は、こちら……サイズが大きくて着丈がとても長いのです。写真を撮るのが大変。なので、人体見本さんの一体に着替えてもらい、とりあえず見やすいようにしていただきました。
店長が裏からピン留めしてスッキリ感を出してくれたんですが、着丈は変えられないのでそのままです。
縦に引き延ばしたようなバランスになってますね。ここから7~8cm短くすると、だいたい平均値の着丈になるかな……と思います。
このジャケットの衿が「ショールカラー」です。何となくご覧になったことありますよね??へちま衿なんて風にも言うそうですが。これです、これ。衿だけ生地が違いますよね、これが拝絹です。衿だけ光沢が増す仕様になっています。
↓ で、こちらが拝み釦です。ちょうど数日前に、ヨドバシ横浜店のblogにも、釦の掛け方の違いと共に掲載されてましたね!
タキシードは黒一色で写真だと見辛いので、ヨドバシ横浜店の記事の写真を見ていただいた方が分かりやすいです。釦が2つ。お祝い事の時は、生地を挟んで拝むような掛け方になります。
片方の根っこが、長くビヨ~ンと出ています。ぎゅうぎゅうにくっ付いてると、綺麗に釦がしめられないですし、前身がクシャッとしてしまいます。
↓ ちなみにボタンは、前身も袖も「くるみ釦」になっています。生地でくるんである釦のことです。改めて見ると、ディテール可愛いですよね。。。
冠婚葬祭の袖ボタンといえば、3つが主流なんですが、この見本服は4つ付いてますね。謂れは色々ありますが、任意です。
で、ワイシャツなんですが……タキシードに合わせるドレスシャツの襟型は2種類で、「ウィングカラー」か「レギュラーカラー」、色は白無地です。
蝶ネクタイをするからウィングカラーの方がおさまりがいいし、その組み合わせが正式!!と売ってるお店が多いですよね。百貨店さんとかもそうかなと思うんですが……
ただ、レギュラーカラーに合わせることもわりとあるようなので(海の外はむしろレギュラーカラー多い→Googleでblack tieと検索するとたくさん出てくると見かけたので確認しました)……
「日本では」ウィングカラーのシャツにしてます、なんて言葉も見かけたので、もしかして少しローカルルールを含む気配……と感じるところではありますが、時代の変化とか進化による変容ってことで、あくまでもご希望に合わせた柔軟な対応が求められる〜頑張ろ〜と思いました。
ご注文の際に、画像検索で出てきたものを見せてくださる方、結構いらっしゃいますしね。
ジャケットの衿がショールカラーの時はウィングカラーで、ピークドラペルにはレギュラーカラーという組み合わせが多いようですが……これだってどちらも見かけるし。レンタル含めていろんなお店を見ても、どっちも見ることができます。。。
正しいとか平均的ということで提示はさせていただくけれど、最終的に細部はお好みというところに着地するからこそ、いろんなパターンは把握しておくべきだな……とここ数日ずっと考えてました……笑
あ、胸にヒダを付ける場合は、綿100%の生地のみ承っておりまして、オプション料+ 10,000円 (税別)です。華やかになりますよ。形式として必須ではないそうですが。手間がかかる分、良きお値段のオプションなので、ご注文いただけたらコチラはとても嬉しいです……笑
↓ レギュラーカラー
↓ コチラがウィングカラーの襟サンプルです。こちらもオプション料として+ 2,000円 (税別)いただいております。
前身の釦を見えないように、前立を2重にして隠す比翼仕立は、+ 1,500円 (税別)です。
ちなみに胸ポケットなんですが、本来はない方がフォーマルなんだそうです。もちろん、胸ポケットなしでお仕立てすることができますよ。
↓ シャツのカフスはダブルカフスに。折り返されて二重になっている仕様ですね。カフスボタン(カフリンクス)が留められるようなボタン穴が開いています。ちょうど画鋲打ってるあたり。こちらのオプション料は+ 800円 (税別)です。
↓ そして、さっきもさりげなく挙げましたが、タキシードと言えば蝶ネクタイ(ボウタイ)ですね。店頭にはないのでイメージするしかないのですが。。。さっきの画像から、いろいろ簡易イメージすると、多分こんなカンジ……??あれ、シャツのヒダの線が少な……い??のはとりあえず置いといて。
※分かりやすいように赤くしてますが、完全フォーマルなら、黒い蝶ネクタイつけます。
蝶ネクタイにもいろいろな形はありますけども、「だいたい分かれば大丈夫!」と描き加えている間に大きさの比率が明らかにおかしくなったので、店長に見せたら……
「もうちょっと小さいかな……その大きさはコナンだよ」………な、なるほど!???確かに……!!という流れで、修正。最初から写真見ながら描きなさいよ……って感じですよね。小さく描き直したのが、上に載せた画像です。
蝶ネクタイ型変声機になってしまった方は、恥ずかしいので載せませんけど。大きく描き過ぎると、それこそレディースのリボンタイとか、いにしえのコメディアンスタイルになってしまいますね……
バランスって、こういう時もむずかしいんだ……
さて、スラックスですが。正式なフォーマルだとベルトはダメで、サスペンダーの着用必須なんですね。。。
タキシードのスラックスは、ウエストのサイズ調節ができるアジャスター付であることが多いということで、こちらは+ 2,500円 (税別)で付けられます。指定のウエスト数値から±6cmできます。
採寸してお仕立てするとは言え、お食事したり時間帯でウエスト周りは微妙に変わりますしね。アジャスター付はおススメです。。。ちなみに、サスペンダーを付けるためのサスペンダー釦は+ 1,000円 (税別)です。
↓ 見本服の方にはアジャスター付いてませんが、アジャスターがどういう形態かというのは、当店の採寸用のゲージ服に付いているものがあります。便利ー!お店でご確認可能です。
脇の方に衿と同じサテン生地が1本走っています。側章という、縫い目を隠すもの。タキシード仕様と指定したら付いてきます。裾は折り返しのないシングルです。
そして、今回は写真等を載せていませんが、タキシードに合わせるベストももちろん承っておりますよ!
ベストを着用する場合は必要ありませんが、ウエストに巻く「カマーバンド」が必要な場合はご用意すること可能です。
カマーバンドは、ベストが簡略化されたものだそうです。不思議ですよね、ベストの簡略化が腹巻状の謎の太い生地って。……というのも、ベストもカマーバンドも、もともと下着という扱いであるシャツのウエスト周りをきれいに隠すため着用するものということです。要は、スラックスとシャツの境目がおしゃれに隠せればOKってことなんですね。。。
映画とか舞台とかで見たことはあっても、アレが実際何なのかまったく知らなかったんですよね。。。帯みたいにグルグル巻いてるの??とか思ってました。後ろに留め具がついてるんですね。
どちらか必要ですか~?とデザイン決めの際に、きちんと確認させていただきます。
……ということで、本当に簡単にしか挙げられていないのですが、ビジネススーツやおしゃれスーツだけでなく、礼装も承っておりますよ~~!ということさえお伝えできていれば本望です😂
結婚式シーズンですし、時期的にも需要があるんですよね。ビッグヴィジョンの他店舗でも、最近タキシードの問い合わせがあったと聞き及んでおります……笑
ご興味がございましたら、ぜひぜひ生地や見本服を見にいらしてくださいね~~!
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