皆さんこんにちは。

今日は気温が低いながらも日差しがあって清々しいですね。

 

前回、「紡毛素材の代表格はツイード」と言いましたが、そもそも紡毛って何? という声がありましたので今日は簡単にお話しします。

 

内容が多岐にわたるので、ウールを原料にしたスーツやジャケット用の生地に限定してのお話です。

先ず私たちが扱う生地の原料はウールです。そのウールの種類や紡績方法の違いで「梳毛」と「紡毛」に分かれます。

名前で何となくイメージが湧くかと思いますが梳毛とは、糸にするまでに「梳る(くしけずる)」工程を多用し、細く滑らかな糸を作るための紡績方法といえます。(繊維の方向を揃えるなどの要因もあります)

簡単に言うと 洗った羊毛 ⇒ カード ⇒ ギル ⇒ コーマー ⇒ 再洗 ⇒ 前紡(粗糸の出来上り)の工程でカードからコーマーの工程は、羊毛をローラーなどで引き伸ばし、平行にしてまた合わせて引き伸ばすという工程です。

これに対して「紡毛」は洗った羊毛などに油を差し、カードの工程後(この時点で粗糸)専用の精紡機に掛けてそのまま使える糸にします。

という事で、「梳る」工程が全然違うのが分かります。

カードの工程。ワイヤーを巻いたローラーで羊毛が引き伸ばされています。

 

工程の違いはお分かりいただけたと思いますが、では原料はどうでしょうか?

原料は同じ羊毛ですが、違いはないのでしょうか?

違いは勿論あります。一番の違いは繊維の長さです。梳毛に用いられるのは長さ10cm以上の長い繊維ですが、紡毛は4~5cmの短い繊維を使っています。

正確には長い繊維の取れる羊を品種改良によって作り出してきた。というのが毛織物の歴史ということになります。よく耳にする「メリノ」種がまさにそうです。

 

さて、駆け足で梳毛と紡毛の違いを見てきましたが、どうだったでしょうか?

色々工程があって大変だぁ。というところでしょうか。しかし、生地になるまではまだまだたくさんの工程が待っています。機会があればまたご紹介したいと思います。

 

 

 

 

では、今日はこの辺で失礼いたします。

 

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